横光利一と田村泰次郎

先日、必要があって『田村泰次郎選集』を読んでいたら、「挑戦」という小説の冒頭にこんな文章があるのに行き当りました。

「このひとけない山間の小駅、空気は透明な液体となってその白いプラット・ホームの舗石のうえをかなりの速度でながれていた」。

月曜日4時間目の文学の講義、第5回(5月11日)で読んだ横光利一の「頭ならびに腹」の冒頭の一節「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けていた。沿線の小駅は石のように黙殺された」によく似ていますね。明らかに田村は横光の真似をしているのだと思います。

横光と言えば、今でも「新感覚派の驍将」(「驍将」とは「強い大将」という意味)と言われるくらいの人だったので、影響力はとても大きかった。特に田村は早稲田大学の後輩に当たるので、この時作家を目指していた彼は強く意識していたのでしょう。他にも影響されたところがあるかも知れません。


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